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仮歌でこういう依頼のされ方は困ります…!な体験談

ボーカル

私は自分自身で曲や歌詞を作って作品を世に出すシンガーソングライターでもあるのですが、作家さんの中には歌わない方が多いので仮歌だけ依頼がくることもあります。

急に「歌詞を足しておいてー!」「アウトロで適当なフェイクを入れてほしい」などの数々の無茶ぶり?も注文されることもあります。これは今後の作家さんとの信頼関係にも関わるので出来るだけ対応するようにしています。
今回はその中でも「こ…これは…」と困ってしまった体験談をお話したいと思います。

キーに合わない曲がきた

依頼の大多数がメールもしくはLINEで来ることが多いです。この時は依頼メールに「男性曲なんですが、いけますか?」と一言添えてありました。どこか嫌な予感はしたのですが、とりあえず聞いてみようと思いデータを開くと…

Aメロが男性キーで完全に低すぎる。

物理的に女性だと出ない位置でのメロディ構成になっていました。
作家さんに「他に頼める方がいないのでなんとかやってくれないか?」と念押しはされたのですが、物理的に出ないものは出ないので申し訳なく思いつつ、この時の仮歌依頼は辞退させていただきました。いくら練習しても出ない音はあります。男性と女性は声帯の作りが全然違いますから…。

3時間後に納品をお願いされた

「3時間後に出したいんだけど大丈夫?」

と夜9時ごろに慌てた声で電話がかかってきました。我が家は24時間楽器OK賃貸なので特に時間縛りはないので依頼を受けることにしました。

録音条件は大丈夫、問題は時間内に録音しきれるのか。

実は私は曲を覚えるのがものすごく苦手なのです。なので、繰り返し届いた楽曲を聞きながら外しやすい音程・リズムの情報を歌詞カードに書き込んで準備しました。矢印だったり斜線を引いたり、直接カタカナでドレミを書いたりして曲の大枠だけ捕えておいてAメロだけ、サビだけと区切って録音していくことにしました。

結果、1時間半前に無事に納品出来ました。

「野生に還ったような声で歌って!」


イメージや具体的な例を言ってもらえるのはとてもありがたいです。表現しようとするうえで非常に重要な情報となります。そんな中、依頼メールに「野生に還ったような声でお願いします」と書かれた楽曲がありました。

残念ながら私はデジタル社会の中で暮らすバリバリの現代人なので、「はて、野生とは…」と少し考え込んでしまいました。自然と触れ合ったのは何年前か。うーん…。

考えついた結果、とりあえずYoutubeでアフリカ部族やジャングルの現地民のダンスや歌をひたすら聞き続けることにしました。最終的にはアフリカの部族の発声を真似て録音、無事に納品したのですが…。あの歌で採用になったかは今では謎です。

まとめ

私のこの経験は一部分なので、もしかしたら他にももっと無茶ぶりな依頼を受けている歌い手さんは多いかもしれません。作家さんも自分の曲を最大限思い通りに表現したいでしょうから。

もちろんいつも無茶難題が来るわけではありません。こんなイレギュラーな依頼が来てもいいように、歌い手の方も準備しておくことが一番大事なことかもしれませんね。

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