コンペや事務所に楽曲を応募してもなかなか採用されない…と悩んでいる作曲家、トラックメイカーの皆様。その楽曲、自分自身で歌ってはいませんか?
実は、仮歌を作曲家自身が歌ってはいけない『3つの理由』があるんです!
仮歌を作曲家自身が歌うのはNGなのか?
…と、ここまで、声を大にして言っておりましたが、「仮歌を作曲家自身が歌ってはいけない」は相当誇張してしまった発言ではあるのでここで謝罪ならびに訂正させていただきます…
自身で歌っても問題ない時
- 自分の歌唱力が相当上手い
- 提供・想定アーティストと性別が同じ
上の2つの条件を両方満たしていれば、仮歌を作曲家が歌うことは全く問題はありませんし、作曲家自身が表現したいものをダイレクトに歌に乗せられるのでむしろメリットになることもあります。
ではそうじゃない時、「自分の歌唱力は人並みだけどなんとかなる」、「想定アーティストが女性だけど、裏声使えばいいや」という時が問題で、好ましくない理由がこちらです。
仮歌を作曲家自身が歌ってはいけない『3つの理由』
- 仮歌シンガーとの圧倒的歌唱力の違い
- 受取り手の求めるモノにマッチしにくい
- 自分の歌唱の場合、表現の曖昧さが残る
これらの内容について、詳しく見ていきましょう。
①仮歌シンガーとの圧倒的歌唱力の違い
歌唱力の違いはここに現れる
みなさんが思っている以上に、仮歌シンガーは歌に従事しているため歌唱力が高いです。
歌唱力の高さのポイント
- 発音の明瞭さ
- ロングトーンの安定感
- ビブラートの掛け具合の加減
- 適切な音の入り切りタイミング
- ブレスタイミング
- 感情の込め具合の加減
- 想定アーティストへの似せ方のツボの心得
- 専門的な録音機材による高音質な歌声
普段このあたりをしっかりと考えて歌えている作曲家の方は少ないのではないかと思います。こういった点においても、やはり今までの歌唱経験の差が大きく出ているのは明らかです。
仮歌シンガーによる奇跡の歌
少し脱線してしまいますが、仮歌シンガーに歌を入れてもらうことに関して、
- 「ある仮歌シンガーが歌ったら即採用された」
- 「仮歌シンガーが本歌シンガーよりも上手く歌ってしまった」
- 「仮歌シンガーがそのままデビューしてしまった」
といった話を頻繁に耳にします。つまりそれだけ、仮歌シンガーというのは重要視されているところがあります。また、ボーカル曲に魂を入れるのは歌声であることも事実であり、仮とは言えどもこの部分の手を抜いてしまうと、伝えたいものが伝わらない楽曲になってしまいます。
『仮歌シンガーとの圧倒的歌唱力の違い』まとめ
- 仮歌シンガーは、経験値的にも歌唱力が高い
- 自分がシンガーデビュー出来るレベルの歌声じゃないなら、歌の専門家に任せよう
素直に仮歌シンガーの歌唱力を信頼し、自分の曲に奇跡の歌を吹き込んでもらうのが最善です。
②受取り手の求めるモノにマッチしにくい
小話「牛メンチカツ専門店の出資金調達」
突然ですが、こんな話を想像してみて下さい。
あなたは牛メンチカツ専門店をオープンすることになりました。お店の目玉商品は「A5ランク和牛のメンチカツ」の予定です。オープンにあたっての資金出資を募るため、偉い人達に料理を振る舞わなければなりません。ただ、急な出来事だったためA5ランク和牛の用意がどうしても出来ません。そんな時あなたはどうしますか?
A. 仕方なく外国産牛で代用して牛メンチカツを作る
B. 同じく高級食材のイベリコ豚を使って豚肉コロッケを作る
どちらが良いか…は一目瞭然ですね。偉い人達は、A5では無いけれども、あなたの「メンチカツ」を評価に来ているので、答えはもちろん「A」です。「外国産でもこんな味が出せます。A5ランク和牛になったらそれはもう…」といった感じですね。「B」はトンチンカンな内容で、「この人は何を言っているんだ」となってしまいますね…
と、こんな小話を挟んでみましたが、こんな現象、あなたの楽曲でも起きていませんか?
評価できない状況を作らないこと
大袈裟な例を上げると、「女性ボーカルでコンペの募集しているのに、明らかに合わない男性の裏声で投稿」「イケイケ男性アイドル歌手でのコンペなのに、朗々とクラシックのような歌声で投稿」、これでは、評価したくても評価出来ないですよね…
先程の例を踏まえて考えてみると、「A5和牛メンチカツ(アーティスト新曲)」が最終目標である中、「牛メンチカツ(女性ボーカルコンペ)」を出すべきところで「豚肉コロッケ(裏声による男性仮歌)」を出している。のようなイメージです。
もしこんな状況でも関わらずOKを貰えるような人は、「ズバ抜けて料理のセンスがある人(楽曲の作り込みや伝え方が異常に上手い人)」しか無理でしょう。常人には無理ですよね…?
そもそもコンペで楽曲に歌声を入れている理由を考える
そもそもの話ですが、コンペで楽曲に歌声をいれて提出する理由はなぜでしょうか?
コンペ段階で楽曲に歌声を入れる理由
その答えは、「判断する人は作曲家ではないので、オケ・シンセメロ・楽譜からは的確な判断が出来ない」というのが大きな理由かと思います。もちろん音楽力が高くて分かる方もいらっしゃいますが、残念ながらそうでない方もいらっしゃるのが現状です。
つまり、「メロディが完璧だから、歌はとりあえず入れておけば良いよね」…とやってしまうと、受取り手のイメージと乖離した時に、「何が悪いか分からないけど、なんかイケてないよね…却下…」となることもあるということです。
歌が上手くても、想定とは異なった声で歌ってしまうと、大事なファーストインプレッションで違和感を与えてしまうのです。逆に言えば、受取り手のイメージに近い歌い方の場合は、グッと採用に近づくということです。
『受取り手の求めるモノにマッチしにくい』まとめ
- 受取り手(楽曲依頼主)は、専門家ではないので、こちらの意図を汲んでくれない
- ファーストインプレッションでの違和感を減らせば好印象
依頼の意図を考え、内容に一番マッチしている歌声の仮歌シンガーを探して依頼すべし。
つまり、受取り手の気持ちになってみて、今どういう楽曲が欲しいのかをキチンと把握し、その内容から逸脱していないものを提供しなければならないのです。
③自分の歌唱の場合、表現の曖昧さが残る
コンペに提出する場合、想定アーティストがいるため、メロディの音域や歌い方をある程度考慮する必要があります。
もちろん自身で歌唱する場合も、これらの考慮はしているかとは思いますが、「表現したいものを一度言語化をしている」ことが、表現の曖昧さを消し、より的確な表現となります。このことが、楽曲内容の向上や、今後の制作活動に大きく関わってくると考えています。
コンペ楽曲の仮歌依頼となると、「適当に歌ってOKです」という依頼の場合は想定外のものが納品されることもあるため、「こういう風なノリで」「サビでは感情を込めて」のような細かい指示が必要になってきます。
この「細かい指示を出す」ということは「楽曲表現を言語化する」ということであり、つまりは「表現したい内容が明確化できている」ということに繋がります。
メロディ表現の明確化が出来ているということは、最終的にはコンペ依頼主のオーダー通りに内容を仕上げているということですので、楽曲の採用へと繋がるというわけです。
『自分の歌唱の場合、表現の曖昧さが残る』まとめ
- 一度、表現内容の言語化を挟むことで、より表現したい事が明確になる
- 「表現したいことが明確になっている=依頼主の期待通り」→楽曲採用に繋がる
それでも、仮歌を作曲家が歌ってしまう理由は何か?
業界ではもはや仮歌をシンガーに依頼することは当たり前になりつつありますが、それでもなお作曲家の方が自身で歌うのにはそれなりの理由もあり、大抵の場合は大きくこの2つが理由なのではないかと思います。
- 締切が近いので頼んでる時間がない
- 仮歌依頼にお金がかかる
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自分の大切な楽曲に想いを込める歌、どの仮歌シンガーに依頼するか悩みますよね。そんな時は、仮歌・歌入れ専門のサイト「うたいれ!」がオススメ。
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