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どんな依頼も請けられるシンガーになろう!

仮歌

仮歌シンガーが特定の作曲者と仕事をするようになると時々無茶振りをされることがあります。

作曲者側が原因の場合もありますが、作曲者も依頼を受けて曲を作る側です。実は無茶振りされているのは同じだったりします。

作曲者も別に悪意があって「困らせてやろう」と依頼をしているわけではないので極力答えられると喜ばれます。

今回は私の体験談でちょっと困ってしまったものをいくつか紹介いたします。

納期2時間以内!?

いつもはお仕事依頼がLINEでくるのですが、電話がかかってきました。

「今から送るデータ、今日中に歌ってもらえる?」

夜の10時くらいでした。日付が変わるまで2時間くらいしかありません。しかも少しは防音しているとはいえ、夜はさすがにうるさいので家では歌いません。

しかし、どうしても急ぎの案件だったらしく請けることにしました。
ただし、録音環境は車の中という条件付きで。

まずは家で曲と歌詞をダウンロードしつつ曲を聞きます。全体を覚える時間はないので、サビだけリピートしながら録音の準備をしました。

パソコン、インターフェース、マイクを持って車に乗り誰もいない海岸の駐車場へ。

パソコンの充電が切れれば作業終了ですが、どちらにしろそこまでの時間がありません。1時間弱で録り終えました。

歌詞を足して欲しい

作詞経験者だとこの手の依頼はよくありますが、実は非常に請けたくない依頼です。

仮歌についている詩は仮詩であることが多く、あまりいい出来のものがついていることはありません。雰囲気が出ていればオーケーという感じ。

あまり丁寧な詩を求められることはないので、付け足す歌詞も雰囲気さえ崩さなければいいのですが、ここで詩を書く者としてのプライドみたいなものが出てきてしまいます。

意味がつながらないとか、最後の展開で盛り上げたいとか、前の歌詞直したいとか…

場合によっては人の歌詞の続きを書くのは新規で書くよりも難しかったりもします。

カールおじさんのつもりで

〇〇っぽくとか、具体的なイメージを伝えてくれるのはわかりやすくてありがたい指示です。表現できればですけど。

カールおじさんぽくという指示を受けたのですが、どう頑張っても私の声はカールおじさんになりませんでした。
カールのCMをYouTubeで探し、繰り返し聞きこみます。声はどうやっても似ませんが、なんとか雰囲気だけは東北で農業を営んでいるおじさんに近づけたような気がしたので録音開始。

当時の音源が残っていないので確認できませんが、採用もされたようですし希望には添えたのではないかと思います。

まとめ

おそらく私よりももっと無茶振りをされているシンガーさんは大勢いると思います。作曲者側も色々と都合がありますからね。

可能な限りは依頼された仕事は全部請けてみてください。【この人は頼れる!】と思ってもらえれば定期的に同じ作曲者からの依頼がくるようになりますし、なにもいつも無理難題ばかりふっかけられるわけではありません。

仕事がもらえるばかりではなく、作曲者など、音楽業界関係者と密に繋がりを持てるようになれば、思いがけないチャンスに恵まれることもあるかもしれませんよ。

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