「え? この曲歌える?」
「自分が歌える曲じゃない……」
と思った仮歌のお仕事はありませんか?
今回は私がこれまでに経験した仮歌のお仕事の中で、歌唱に苦労した楽曲についてお話していこうと思います。その時はなんとか切り抜けることができたのですが、その対応策と絡ませて書いていきます。
キレイに歌える音域外のメロディーの歌唱
私は男声なのですが、一般的な男性の声域とは違い、歌唱できる音域が少し高い方向にシフトしています。
そのため、低い音がキレイに出すことができません。(具体的にはA2未満)
ところが、その音程以下のメロディーを含んだ楽曲を依頼されたことがあり、対応に困った経験があります。
幸い出せない音程ではなかったので、必死に低い声を出そうを努めましたが、お世辞でもキレイとは言えない歌唱になっていたと思います。
その後、一通りワンコーラス歌い切り、音源データを依頼者様にデータを送信しましたが、私は通常のメロディーラインの歌唱と、オクターブを一つ上に上げたメロディーライン二つの音源を提出しました。
音源を確認した依頼者様が察してくださったのか、今回はオクターブ上で大丈夫だということで解決しました。(今思えば無理を言ってしまったと感じてしまって申し訳ないです)
今回の件を振り返ってみると、キレイに歌える音域を理解していなかったことがこの問題を生んだのだと判断し、この依頼以降サービスページに歌唱可能な音域を記載するようにしました。
自分の歌唱できる音域は必ず確認しておくべきなので、ピアノなどを使って理解しておきましょう。
滑舌がままならない、速すぎるメロディーの歌唱
皆さんはご依頼のとき、依頼者様から仮仮歌を用意していただいていらっしゃいますでしょうか?
私はよく仮仮歌をボーカロイドに歌わせた音源をいただきますが、ときどき人間に歌えないようなテンポの速い音源を渡される場合があります。
仮仮歌は、言葉では伝わりにくいニュアンスやグルーブ感を感じ取るための大事な音源なのですが、利便性やお手軽さをとってボーカロイドを使って仮仮歌を撮られる方が多数派です。
ボーカロイドでもある程度の歌いまわしを確認することができるのですが、仮歌を歌う身としては肉声の方が望ましいです。
話がずれました。
ボーカロイドにできて、人間にはできないことがあります。 それが、
早口で歌うことです。
一度16分音符の羅列で構成された曲を歌唱したことがあるのですが、テンポの速い曲で早口で歌わなければならず骨を折りました。
遅いテンポから着実に歌詞を覚えながらレコーディングに臨み、やっとのことで納品を完了させました。何とかOKを頂けましたが、今でも強く記憶に残る経験でした。
まとめ
仮歌の依頼にもいろいろな形があると思いますが、あらゆる場面に対応できるようにスキルを磨いていきましょう。
上にも述べたように、
・音域の把握
・滑舌をよくする練習
は、しておく必要があると思いますので、ぜひ皆さんもやってみてください。
「らしさ」を見つけるシンガーソングライター。現在オリジナル曲の数「11曲」
2017年から活動開始、楽器の出来ないシンガーソングライターとして、すべてDAWで作曲を行っている。
そのほか、動画編集や歌唱の指導などを、多方面で活動中。