近年、無料のDTMソフトが普及し、誰でも自宅でレコーディングができるようになりました。
それに伴い、どうしても必要になってくるのがマイクです。
電子楽器は必要ありませんが、アコースティック楽器やボーカルにマイクは不可欠です。
ボーカルを録音するには感度の高いコンデンサーマイクを使用するのが一般的です。
しかし、コンデンサーマイクはレコーディング以外には利用用途があまりないことが多いです。
ライブで使えるコンデンサーマイクもありますが、高価なものが多いうえにライブハウスから敬遠されることもしばしば。
今回は録音用途だけのコンデンサーマイクではなく、色々な用途に使える便利なマイクを紹介します。
ダイナミックマイクでも綺麗に歌は録れる
まず、レコーディングはコンデンサーで、ライブはダイナミックという固定観念を捨てましょう。
コンデンサーマイクがレコーディング向きとされるのは、非常に高感度かつ対応レンジが広く些細な音も拾ってくれるため、歌の息遣いや細かいニュアンスまで拾ってくれるからです。
しかし、裏を返せば拾いたくない雑音まで拾ってしまいます。
徹底した防音処理を施した部屋でなければ、近隣の生活音や反響した音で思ったような録音をすることができません。
そんな時に活躍するのがダイナミックマイクです。
ライブでも使えてレコーディングにも使える便利なマイクを紹介しましょう。
SHURE BETA57A
マイク市場で圧倒的な知名度と普及数を誇るのがSHUREのSM58とSM57です。
ボーカル用にはSM58が使われますが、このマイクを知らないボーカリストは皆無でしょう。
ではBETA57Aはどうでしょうか?ご存知ない方が多いのでは?
それもそのはず、一般的にSM57は楽器用として知られ、BETA57Aはその上位版に位置付けられたマイクだからです。
非常にヌケのいい音で声をよく拾ってくれます。SM58は中音域が強めのモコっとした音になるので、もっと高音域が欲しい場合には最適です。
スーパーカーディオイド(超単一指向性)なので、的を外すと全然拾わなくなりますがそこは慣れです。
AKG D7
こちらもスーパーカーディオイドのマイクです。パワフルで音圧があるので、ロック系なら歌録り、ライブの両方で活躍します。
しかし、個人的におススメしたい用途としてはアコギの録音です。
レンジが広いのでバランスのいいアコギサウンドを録ることができます。
D7でサウンドホールを狙い、追加で少し離れたところからコンデンサーで録った音をミックスすると、安いアコギでもかなりイケます。
SENNHEISER E935
最初に紹介したBETA57Aが6:4くらいでレコーディング向きだとすると、E935は6:4でライブ向きです。
カーディオイドなのでスーパーカーディオイドのBETA57Aと比べるとライブでもマイクに対する角度はシビアにならなくても大丈夫です。
仮歌やアマチュアのプリプロくらいまでなら活躍してくれる1本です。
マイク以外の機能も兼ね備えた1本
パソコンの普及とDTMソフトの普及により、自宅でのレコーディングが手軽になりましたが、関連機材などは買いそろえていくと安いものではありません。
なるべくなら限られた予算を楽器に使いたいと考える人も多いでしょう。 楽器を使わずソフト音源だけで作り上げる人もいますが、そういった人は高額のソフト音源代がかかるのでやはり同じことです。
そこで、できるだけ機材代を節約したい人向けに、複数機能を持ったマイクを紹介します。
Zoom H4nPro
Zoomから販売されているハンディレコーダーです。
同じくZoomのH1nをスタジオでのバンド練習録音用として使用している人は非常に多いです。
H4n Proは1万円程高いのですが、DTMerに嬉しい機能が盛りだくさんです。
オーディオインターフェース、4トラック同時録音可能なMTR、G5n相当のエフェクト、そしてマイクは指向性の切り替えができる優れものです。
オーディオインターフェース機能は下位モデルでもありますが、XLR/TRSコンボジャックとファンタ無電源の供給ができるのはH4nPro以上のモデルです。
非常に多機能で書ききれないのですが、やろうと思えばこれ一つで完結します。
実際にこれだけで作ったのがこちらの動画です。
ドラムと歌は付属のマイクで録り、ギター、ベース、キーボードはオーディオインターフェースとしてH4n Proを通しています。
ギター、ベースのエフェクトやアンプモデリングも内蔵のものを使用し、MTR機能で編集まで行っています。
マイクもDTMソフトも持っているのですが、あえて実験的にやってみました。
この程度のクオリティで構わないということであれば、H4n Proはおすすめです。
さほどいじりこんでいないので、突き詰めればもっと綺麗に録ることも可能でしょう。
audio-technica AT2020USB+
楽器の録音はせず、歌のみの録音しかしないという場合におすすめの商品です。
過去の記事でも紹介していますが、ボーカル録音にインターフェースは絶対必要です。
しかし、ただ経過させるだけの機材に1万円程の出費は痛い!
そういう場合はインターフェース内蔵型のAT2020USB+を購入するといいでしょう。
パソコンに直接差して録音することができるので、使用するケーブルも減ります。
通過する機材が少ないということは、音質の劣化や機材トラブルも減らすことができます。
安価でコスパに優れたコンデンサーマイク、AT2020をベースとした商品なので品質も安心です。
目的や用途に合わせて最適な機材を選ぼう
色々な機材を紹介してきましたが、結局のところ適材適所です。
自宅レコーディングをするのに、プロが使うような30万円クラスのコンデンサーマイクを持っていても使いこなせないでしょう。まずは防音・吸音から始めなくてはなりません。
そして、歌ってみた動画、仮歌、アマチュアの自主製作音源にそこまで高額なマイクは必要とされません。
ごく稀に超ハイクオリティな歌ってみた動画がYouTubeでアップされていることもありますが、そういった人は音楽を生業としていることが多いので、YouTube投稿用に機材をそろえているわけではないのです。
自分の目的や用途に合わせ、コスパのいい機材を揃えましょう。
メインの楽器はギターで、春畑道哉先生(TUBE)と松本孝弘先生(B’z)を崇拝しています。
その他にベース・ドラム・キーボードも自分でいじって遊んでいます。
YouTubeにてその様子を公開しているので、興味のある人は見てください。