一昔前であればギター初心者は「とりあえずコンパクトのオーバードライブ買え」とか言われたものですが、今は色々な商品が出ています。いつまでも昔の常識にとらわれているわけにはいきません。
最新の商品を考慮したうえで、ギター初心者にオススメしたいエフェクターやプラグインを紹介していきます。
コンパクトエフェクター
最初の1台は歪み系のコンパクトエフェクターを買うべき、と言われてきましたがそれには理由があります。
ざっくりギターサウンドを2つにわけると歪みサウンドとクリーンなサウンドです。アンプでも切り替えられますが、コンパクトエフェクターがあれば足元の操作だけで切り替えることができます。
アンプの歪みはアンプによっても差が大きいので、常に同じ歪みを出したいという意味でも自分の歪みを持っていた方が便利というのもありました。
このあたりは時代が変わろうとも便利なことに変わりはないので、1台目のエフェクターにコンパクトの歪みを選ぶのは悪いことではありません。
BOSS Blues Driver BD-2
ゴリゴリとした荒めのオーバードライブサウンドです。
ブルースドライバーという名前ではありますが、別にブルースに特化しているわけではなく、むしろロック系で使用者が多いのではないでしょうか?
逆に往年の古い黒人ブルースをやろうとすると歪みすぎるのでゲインをかなり絞る必要があります。
オンにするとだいぶ音圧を稼げるのでブースターとして使用する人も多いです。強い歪みを持ちながらも汎用性の高いエフェクターですね。
EMMA ReezaFRATzitz 2
あまり日本では有名ではないですが、エマというブランドのリーザフラットジッツというディストーションです。
オーバードライブではなくディストーションを選ぶときに気を付けて欲しいのが下品に歪まないかどうかです。
ある程度エフェクターがわかっていて使うのであれば、原音がよくわからないような下品な歪みを使うこともあるでしょう。しかし、初心者は原音を大事に弾いていかないとエフェクターでごまかすクセが付いてしまいます。
このエフェクターはディストーションとしてしっかりと歪むのですが、音の粒がしっかりと残るのでどことなく上品な感じさえします。
ただし、ハードなメタルやデスロックには少々力不足になるでしょうね。
VOX V847A
昔、ギタリストで集まった時に【無人島に一つエフェクターをもっていくなら?】というくだらない話をしていた事があります。
みんな当然のように歪みコンパクトエフェクターを挙げていくのですが、そのうち一人が「ワウだ!」と言っていたのを思い出しました。
確かにアンプには歪みをはじめエフェクト効果を備えているものが多いですが、ワウだけはどうにもなりませんね。
ワウペダルの代わりになるものはありません。まずはワウの定番、V847Aを買っておくというのもアリです。
踏んでいると楽しいので、ちょっと練習に飽きた時にも最適ですよ。
2. マルチエフェクター
コンパクトエフェクターが推されていた理由の一つとして、マルチエフェクターの音質の悪さがありました。
デジタル臭い、音ヤセが酷いなど、散々な言われようでしたがもはや古い話です。
今では1万円クラスのマルチでさえ、アマチュアがライブハウスで使う分には十分な音質を出すことができます。
LINE6 Mシリーズ
マルチエフェクターと言えば、アンプシミュレーター機能が付いているものが主流です。
シミュレーターは便利ではありますが、非常に細かい設定ができるので使いこなすのも大変です。
シミュレーターをオフにすることもできますが、それがサウンドの要になっているのでわざわざそんな使い方をする人はそういません。
そこでオススメしたいのがLINE6のMシリーズです。
これは純粋にマルチエフェクターです。ややこしい設定も必要ないので初心者でも非常にわかりやすいです。
自分のアンプを持っている、もしくはその場にあるアンプに合わせてセッティングの微調整ができる人にオススメです。
MシリーズはM5、M9、M13の3機種出ていて同時に使えるエフェクト数やボタンの数が異なります。音質自体は同じなので、操作性と同時使用のエフェクト数で検討しましょう。
Zoom G1X FOUR
なんと1万円少々で購入することができてしまいます。1万円を切るG1 FOURというペダルがない機種もありますが、2000円程の差額なのでペダルはついていた方がいいでしょう。
マルチエフェクターの音ヤセやデジタル臭さが不評だった頃は、このZoom社の製品を名指しされることが多かったのですがそれも過去のこと。
Zoomと言えば今や、【安価で高品質なエフェクター】というイメージが強くなりました。
特に空間系エフェクトの評価は高く、安いからダメということはありません。
パッチ切り替えのボタンが少ないので、多くの音色切り替えができないことと、ペダルはおまけ程度なので少し踏みにくいというデメリットはありますがコスパは最高です。
お試しで買ってみる範囲内なので、最初の1台にもってこいです。後々新しいものに買い替えた後も自宅用として残してもいいですし、ヤフオク等で売ることもできます。
人気商品なのでそこまで値が下がらずに売ることができます。
BOSS ME-80
BOSSからはGTシリーズとMEシリーズが発売されていますが、ここではMEシリーズを紹介します。
BOSSのコンパクトエフェクターを並べて使いたいという人はME-80がいいでしょう。
ペダルもG1X FOURよりもしっかりとした造りになっているので実践でも使えます。
そのぶん値段も少し高くなりますが、できることも多いので長く使えるマルチです。
どちらのシリーズもアンプシミュレーター付きのマルチエフェクターですが、GTはアンプシミュレーターが重視されているのに対し、MEはコンパクトエフェクターの集合体という意味合いが強い商品です。
プラグイン
YouTubeなどで【弾いてみた】系の動画はなにも上級者が実力を競い合うだけの場ではなくなりました。定期的にアップしていれば、初心者の成長を見守るという楽しみ方で観てくれる人も大勢います。
スタジオやライブハウスなどで演奏する機会が少なく、ネット上を活躍の場とするなら、物理的なエフェクターよりもパソコン上で使えるプラグインエフェクトのほうが便利です。
IK Multimedia AmpliTube 3 Free
iRigシリーズで有名なIK Multimedeliaが出しているAmpliTube3というフリーソフトです。
無料とは言え、3つのギターアンプシミュレーターと8つのエフェクトを使用することができます。
プラグインソフトと言えば100種類以上のエフェクトやアンプシミュレーターが備わっているのが普通なので、比較すれば少ないですよね。
しかし、リアルで考えれば、目の前に3つのアンプと8つのエフェクターが並ぶことってまずありません。それだけでも使いこなすには大変ですし、仮に使いこなせればたいがいの曲に対応できるでしょう。
AmpliTube3は有料版もあり、無料版は有料版からの抜粋なのでクオリティも高いです。 無料版が気に入って、もっと色々なサウンドを楽しみたい場合は有料版を検討してみてください。
Positive Grid BIAS FX 2.0
以前にギタリストがおすすめするアンプシミュレーターという記事を書いたのですが、その中でも紹介したBIAS FXです。
BIAS AMPは安価で高品質と評価の高いシミュレーターですが、FXの方はそれほど有名ではありません。
AMPがシミュレーター機能を重視していて、FXはエフェクターを重視して作られています。
BIASファンの人はどちらも合わせて音作りをしますが、FXにもアンプシミュレーターは入っているので初心者はFXだけでもじゅうぶんに思えます。
AMPほど細かな設定はできませんが、フロントパネルのパラメーターを操作することくらいはできるので問題はありません。
まとめ
多くの製品を紹介してきましたが、ギター初心者に絶対にやって欲しくないことがあります。
それは【原音が潰れるほど歪む音を使わない】ということです。
音楽のジャンルによっては汚い音がマッチする曲もたくさんありますし、綺麗に弦が鳴らせない初心者は歪ませるとうまくなった気がして気持ちがいいものです。
しかし、いつまでもその音で練習していると丁寧に弾く必要がなくなってしまいます。色々なエフェクト音を楽しむのもいいことですが、原音を忘れずに練習してください。
メインの楽器はギターで、春畑道哉先生(TUBE)と松本孝弘先生(B’z)を崇拝しています。
その他にベース・ドラム・キーボードも自分でいじって遊んでいます。
YouTubeにてその様子を公開しているので、興味のある人は見てください。